広島緒方孝市監督(49)の胴上げがいよいよ目前に迫った。マツダスタジアムでの阪神戦は先発岡田の乱調もあり、今季ワーストタイ13失点の大敗を喫したが、ヤクルトが巨人に敗れたため優勝マジックは1つ減って2に。今日23日にも球団初のリーグ3連覇が決まる。勝って27年ぶりの本拠地胴上げを迎えたい。

緒方監督は、しぼり出すように敗戦の弁を並べた。勝利を願い、熱心に応援してくれた満員のファンに謝罪した。「何回目だろうね。同じようなコメントをして申し訳ないけど…。こういうゲームをしていたらね。たくさんのファンの方に応援してもらっている。ましてやこの時期なのにね。申し訳ないです」。

先発岡田が9失点など、今季11度目の2桁失点。それでもファイティングポーズは取り続けた。藤浪対策としてあらゆる面を考慮し、菊池を外して左打者を並べた。その打線では成長株の野間が今季初2番で4安打。バティスタも代打2ランなど、必死に反撃を試みた。敗れたが、マジックはついに2まで減った。

今日23日の優勝はヤクルトがデーゲームで中日に敗れ、ナイターで広島がDeNAに勝つことが条件。新井は言った。「結果しだいでは、自力で決められる可能性がある。どういうシチュエーションか分からないが、しっかり準備して臨みたい」。選手たちだけでなく、周囲も準備を整えた。

マツダスタジアムのビールかけ会場には投光器が10台設置され、リハーサルが行われた。現在2軍ながら1軍でプレーした下水流、永川、エルドレッドらも参加を予定。ビールは過去2年を上回る6000本が泡となりそうだ。ビジターで優勝決定の昨年と一昨年は各4000、3000本を消費。昨年は本拠地に6000本が用意されたが、地元優勝はならなかった。

今季初4三振の丸は「やれることをやれなかった。反省材料として(次に)出していきたい」と悔しがり、V王手の状況には「絶対条件で勝たないといけない。こういう形になったけど切り替えて」と前を向いた。敗戦直後には待ち切れないファンが球場の外に徹夜の列をつくった。長丁場のシーズンも大詰め。先月15日のマジック32点灯から1カ月あまりが過ぎた。喜びを爆発させる瞬間は、すぐそこにある。【大池和幸】