DeNA高田繁GM(73)が今季限りで辞任することが6日、分かった。球団創設から7年間、編成部門のトップを務め、今季で一区切りつけることを決断。最下位の常連だったチームを昨季まで2年連続Aクラスに押し上げるなど、手腕を振るった。今季は優勝を目標に掲げながら、自力でのクライマックスシリーズ(CS)出場が消滅。チームに道筋を立てた一方、20年ぶりVを逃したことにけじめをつけ、自ら身を引き後進に託すことを決めた。

編成トップを務めてきた高田GMが、自ら幕を引くことを決めた。複数の関係者の話によると、6日までに今季限りで退く意向を球団側に伝えた。DeNA草創期に陣頭指揮を執り手腕を発揮してきたが、第一線から退き後進に託すことにした。

DeNA球団の礎を作りあげてきた。11年まで4年連続最下位のチームが買収で生まれ変わると、立て直しにドラフト戦略でチーム強化を進めた。巨人時代の同僚・吉田孝司スカウト部長とともに、必ず自分たちの目で見定めた選手を指名。山崎や石田、今永、浜口、東と近年は先発を中心に即戦力投手を獲得。打線は筒香という大器を育てるため、内野から外野へ配置転換。和製大砲が生まれた。

OBのラミレス監督を監督にした16年から、2年連続Aクラス入りで優勝を争える段階まできた。さらに昨季はFA宣言した大和を阪神から獲得。育成と補強の両面で強化した。その一方でこの日、自力CSの可能性が消滅。関係者によると、リーグ優勝に手が届かなかったことも一因で、けじめをつけた格好だ。

選手時代は巨人でV9戦士として活躍、引退後はコーチ、監督を歴任し、経験と知識をGM職にフル活用してきた。今後は自身が生きてきた野球界へ、恩返しをしたい意向を持っているという。少年野球など、指導者として寄与していく可能性がある。球団は高田GMの決断を尊重。来季からは三原一晃球団代表が編成部門を引き継ぐ見込みだ。

◆高田繁(たかだ・しげる)1945年(昭20)7月24日、鹿児島県生まれ。大阪・浪商1年で夏の甲子園優勝。明大を経て67年ドラフト1位で巨人入団。68年新人王、日本シリーズMVP。71年盗塁王。ベストナイン4度、ダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデングラブ賞)6度。通算1512試合、1384安打、139本塁打、打率2割7分3厘。80年引退し、85~88年日本ハム監督。巨人のヘッドコーチ、2軍監督などを経て04年10月日本ハムGM就任。08~10年途中までヤクルト監督を務め、11年12月からDeNAのGM。