楽天則本昂大投手(27)が、メジャーへの思いをいったんは封印し、20年東京オリンピック(五輪)出場へ強い意欲を示した。11月30日、仙台市内の球団事務所で現状維持の2億5000万円で契約を更改。来季3年契約の3年目を迎える。来オフ、ポスティングシステム(入札制度)でのメジャー移籍の可能性もあるが、4年に1度の祭典へ照準を定めた。

則本の口から熱い言葉がこぼれた。

則本 オリンピックに何が何でも出たいと思っています。全力で目指します。オリンピックの舞台で、日の丸を背負って戦いたい。将来、娘のボーイフレンドが家に遊びに来たときに、金メダルが飾ってあったら「すごい」ってなるじゃないですか。

15年のプレミア12、17年にはWBCの日本代表と主要な国際大会にも名を連ねたが、五輪への思いは格別。侍ジャパンのメンバー入りを今から夢見る。

メジャーへの思いは、いったん胸にしまった。この日、行われた契約更改のテーブルでは、メジャー移籍するためのポスティングシステムの利用容認についての議論は出なかったという。来季は、3年契約の最終年。来オフにも、移籍の可能性もあるが「そんなこと考えている暇はない」と一蹴。「今年チームは最下位。世間は笑うかもしれないけど、優勝目指すじゃなくて、優勝するために、僕も全力で腕を振りたい。どんなタイトルよりも、優勝を目指したい」と思いを訴えた。

4年に1度の祭典へ向け、今から鍛錬を積む。今季は10勝11敗、キャリアワーストの防御率3・69。5年連続で奪三振王を獲得したが「プロ野球人生で、一番情けないし悔しい」と振り返り「下肢のバランス強化をしたい」と課題は明確だ。不安定な状態でボールをキャッチするなど、強靱(きょうじん)な下半身を目指す。「チームが求めるものに100%応えるだけ」。優勝の先にオリンピックという大きな世界を見ている。【栗田尚樹】(金額は推定)