立浪氏の担当だった中日溝際和也トレーナー(45)が野球殿堂入りを喜び、現役時代の秘話を明かした。

03年7月5日の巨人戦(東京ドーム)で2000本安打を達成。その前夜の光景を、昨日のことのように思い出すという。ナイター後の宿舎で、立浪氏はビデオルームにこもり、深夜まで分析を続けた。記録達成まで残り3安打。午前2時に電話が鳴った。「明日、決めてやる。溝際、悪いけど、体を見てくれ」。有言実行へ努力する姿が焼き付いた。

現役時代の終盤には、代打待機が増えた。ベンチ裏での姿も忘れられない。代打の出番を想定。準備はストレッチや素振りだけではなかった。試合中に体を温めるために球場内にあるサウナに入っていた。それもユニホームを着たままで。「1試合、1打席にかける準備は、他の人にはないものがあった」と振り返る。身長173センチ。プロとしては小柄な選手は、溝際トレーナーにとって、誰よりも大きく見えていた。【中日担当 伊東大介】