阪神藤川球児投手(38)が、15日に沖縄・宜野座村で自主トレを公開。

守護神復帰への思いやFA制度に対する問題提起など多岐にわたって激白した。松坂世代の右腕はプロ21年目のシーズンを前に、意欲は尽きない。万全のコンディションを整えつつ、球界の発展にも思いを巡らせた。

【守護神再挑戦】

-今季はクローザーに再挑戦する。矢野監督就任がきっかけか

藤川 もちろん金本前監督であったとしても進言しにいこうと決めていました。(矢野監督とは)長年ずっと一緒にやってきた方なので、あうんの呼吸がある。矢野さんが監督になって描こうとしていたビジョンと、来季に向けて自分がどういう風に変化していこうかと決めたビジョンが合っていたのかもしれない。

-抑えへの思いは

チームに穴を空けないようにです。去年に投げていたポジションが相当きつかったので…。抑えであれば、もうちょっと安定したパフォーマンスが出せるんじゃないかな、チームに貢献できるんじゃないかなと。

-名球会入りへの日米通算250Sまで残り23

藤川 自分自身は、どんな記録にもあまり興味がないです。それより、バッターを三振にとりたいなとか、次アウトをとりたいな、の方が興奮するんです。

-チームは昨季、最下位に沈んだ

藤川 もう終わったことなので。去年のうちに清算したつもり。重要なのは開幕ダッシュ。本当に。払拭(ふっしょく)していく意味で。矢野監督を胴上げしたいしね。そうすれば辞められた金本前監督や坂井オーナーも、今までずっとタイガースで「勝ちたい!」って、05年以降にも努力、尽力してくれた人たちを報える。その歴史を知っているのは鳥谷、能見さん、あとは自分にしかいない。

-開幕に向けて

じっくり上げてきている段階です。チームがふらついたときでも軸となれるところを後輩たちにも見せていかないといけない。だから、退路はしっかり断っておきたいですね。自分の中で。下がるようなことはしたくないですね。

【FA制度】

-丸がFAで巨人へ

藤川 ジャイアンツから長野が広島に行ったからね。いい意味で広島に刺激が入った。嫌だね、実際。トレードのようにしか感じないね。もう、人的補償とかじゃない。プロテクトは28人で、あと40人くらいの中からドラフトをするわけでしょ? ものすごくいい選手とれるよ。

-結果的にトレードだ

藤川 どうしても一般的に受けが悪いから。人的補償って言うと。名前さえ変われば、魅力のあることだったんだと思える。FAの権利も、内容を変えていく時期に入ってきているんじゃないかな。年数が短いから、どんどんFA(選手)が出てくる。もし、メディアの方たちが書いていくと、面白くなると思う。『ルールを変えた方が良いんじゃないですか』と。もっと自分たちで、球界がよくなっていくことを考えていきたい。

-丸や長野との対戦は

藤川 楽しみ。プロ野球界を見て『これだけの選手が成長してきたんだ』という2人が移籍した。うまくいってほしいと思うね。

-楽しみは他にもある

藤川 なんか最近、発想がね(笑い)。糸井、柳田、吉田(正)。あの3人のバッティングピッチャーやりたいなとかね。自分が『面白い!』と思えることが野球の中にある。

-なぜ打撃投手を

藤川 すごくいい選手だから!。若い時は自分のことばかりで考えたことなかった。「打たれなきゃいい」と思ってたから。でも、もっと相手の深みを知ることで、見えてくるものもある。「何でその3人が集まることになったんだろう」「何で同じチームの選手が1人も居ないんだろう」とかね。だって、そういうの面白いじゃん。

【松坂世代】

-残り8人の松坂世代の最後まで生き残りたい

藤川 ない、ない! そんなの。一回、辞めてるし(笑い)。だから別に。あの時に感じたのは「全部自分が決めること」って。自分は本当に一回現役を辞めているから。プロではなくて独立の方まで行っているから。「野球を楽しもう」からまた始めて、プロに入って、というのを2回やっているから。今でも楽しませてもらっている。

-松坂はNPBをクビになっても続けたいと言っている

藤川 それは俺もあるかもね。やっているんで、実際(笑い)。でも「絶対にNPBに戻りたい」って、精神力ではなくて。好きでやっている延長線。そういう人が今も(現役で)残っているような気もする。言い方に語弊が出てくるからあまり言いたくないけど、プライドとかそういうものはないつもりです。