巨人が、2月3日に“球団史上最速”の1、2軍サバイバルマッチを開催する。16日、川崎市のジャイアンツ球場でコーチ会議を行い、原辰徳監督(60)がキャンプ3日目に「1軍の若手選手VS2軍の若手選手」の紅白戦を行う考えを示した。昨年の紅白戦初戦は2月9日で、6日間の前倒し。1軍は13日に宮崎から沖縄に移動予定で、若手にとっては1軍切符をかけた絶好のアピールの場となる。

4年ぶりに復帰した原監督が、過去2度の監督時にも経験がない「2・3」に実戦を行う考えを示した。コーチ会議を終えると「1軍からスタートしたメンバーと、ファームからスタートしたメンバー。ヤングオールスターズでやる」と宣言。ロッテは2月1日、中日も同3日に紅白戦を行うなど近年各球団実戦を早めているが、巨人としては前例のない取り組みに打って出る。

現場復帰する原監督にとっては、実戦の中で現有戦力を把握する狙いがある。「今は選手の仕上がりも早い。自分の中では仕上げてきている若手に興味がある。(宮崎は)2クールまでしかやれない。あとは沖縄に行く。全体を把握するという意味でも見ておきたい」。第2クールの10、11日には、1軍メンバーで2試合の紅白戦を予定。沖縄キャンプ生き残りをかけ、競争の中で戦力を見極めていく考えだ

今オフはFAで獲得した丸、炭谷に加え、岩隈、中島、新外国人ビヤヌエバら大型補強に成功したが、チーム強化へ若手の底上げは不可欠。昨秋のキャンプでアピールした高田、大江、鍬原らの投手陣、野手では俊足の松原、和田らがオフ期間の成長を示す場になりそうだ。キャンプ開始時の1、2軍の振り分けは18日のスタッフ会議で最終決定する予定。「90%ぐらい」と方針は固まりつつあるが、それも2月3日の実戦などで判断し、シャッフルする。「沖縄に行く時に再編という形になる」と競争意識を求めた。【前田祐輔】

◆巨人のキャンプ初実戦 高橋監督が指揮した昨年は例年よりも早い2月9日に初実戦となる紅白戦を実施。原監督が過去に率いた年(02~03、06~15年)では9日までに実戦が行われたことはなく、早くても14年などの11日だった。近年の巨人で初実戦が早かったケースでは、長嶋監督が指揮した95年に2月5日に紅白戦を行っている。