勝負の3年目へ。ソフトバンク田中正義投手(24)が、福岡・筑後市のファーム施設で黙々と自主トレに励んでいる。昨季は1軍デビューも中継ぎで10試合、0勝1敗、防御率8・56で5月25日に抹消後は再昇格はなかった。それでも、今年へ向け表情は明るい。16年ドラフトで5球団競合した右腕が、インタビューで現在地を語った。【取材、構成=石橋隆雄】

-2年間、未勝利に終わった

田中 球団、スカウトの方とか、やっぱり僕に期待してくれている人たちを2年間裏切っているのは、自分の中でかなり重くのしかかっている。早く結果を出したいですね。その気持ちと逆に見えるが多少、おおざっぱなところも必要だなと

-この2年間を振り返ると

田中 ようやく、野球選手として土台ができてきたというか。今までは正直、そんなに深く考えずに野球をやってきた部分もあった。大学時代は普通に投げれば抑えられた。ただ投げているだけ。今はいい結果になっても、悪い結果になっても原因が自分の中である程度分かっている。納得しながら野球ができている

-何か手応えがあるのか

田中 今取り組んでいるのは、どこも力まずに150キロを投げられる投げ方なんです。プロに入ってずっと取り組んでいます。だいぶ形になってきた。納得できる形ができれば、直球も変化球も制球に困ることはない

-今季はやはり先発を

田中 投手をやる以上は先発でとは思います。でも、1軍で投げられるのであればどこででも準備をしたい

-表情にも自信があふれてきた

田中 はっきり自信があるとは言えないけど、ゴール、理想の形というのがだいぶ明確になってきた。そこに近づけるんだったら勝負になるなと。そこがぼやけていたらダメだった。今は右肩も痛くないですし

-目標は

田中 まずは初勝利です

◆ソフトバンク田中正義のこれまで

◆1年目 17年2月のキャンプ中に右肩に違和感が出た。6月23日に3軍戦(対社会人西部ガス)で登板し、再び状態が落ちた。9月に3軍戦で投げ、9月23日ウエスタン・リーグ阪神戦に先発。3回3安打2失点。2軍戦登板はこの1試合だけだった。

◆2年目 開幕1軍入り。4月1日オリックス戦で1軍デビュー。10試合13回2/3、0勝1敗、防御率8・56。被本塁打6で5月25日に降格。6月は2軍で4試合登板も、体調不良で約2カ月離脱した。