ヤクルトの2軍本拠地である埼玉・戸田球場が13日、水没した。台風19号に伴う猛烈な雨で、隣接する荒川が増水した影響を受けた。秋季練習を行っているチームは、選手寮内の室内練習場で調整した。

電光掲示板に掲げられていた時計の針は、4時34分頃で止まっていた。被害状況確認で足を運んだ衣笠剛球団社長兼オーナー代行(70)は「ぼうぜんですね」と自然の脅威に言葉を失った。水面から見えていたのは、バックスクリーンと電光掲示板、防球ネットの上部のみ。水位は4メートルを超えた。電光掲示板のシステムや、高性能計測器「トラックマン」の機械も水の中。打撃マシンや選手が使用する用具も水没し、被害は甚大だ。水が引くまで、約1週間程度はかかる見込み。さらにゴミや死んだ魚が残るため、クリーニング作業も必要となる。衣笠球団社長は「なるべく早期復旧できるようにしたい。1カ月くらいで、グラウンドだけでも使えるようになれば。数年に1度は、このような事態が起こることを想定しておかないといけない」と見据えた。

戸田球場の水没は、99年8月に豪雨の影響を受けて以来20年ぶり4度目。その際はシーズン中で、イースタン・リーグの会場を変更するなど対応に終われた。当時、現役だった高津臣吾監督(50)は「(水没した球場を)写真で見たのを覚えている」と振り返った。今後、秋季練習は室内練習場など場所の変更が必須で「早く復旧して、練習ができるようになれば」と話した。