西武岡田雅利捕手(31)が、援護を受けて一層力む右腕松本を言葉でもプレーでも落ち着かせた。

4回、2点勝ち越しに成功した直後、安打と2四球で1死満塁のピンチ。岡田がマウンドに駆け寄り、松本に一声掛けた後、立て続けに要求したのは直球だった。「松本は真っすぐが強い。その部分は変えず、押せるところは押していきたかった」。3球目、低めのスプリットがワンバウンドするも、前のめりで好捕球。再び直球で右飛、続く浅間は直球で3球三振に打ち取った。

4回勝ち越しの立役者こそ岡田だった。同点で迎えた1死二、三塁。辻発彦監督は「よっぽどスクイズ出そうかと思ったけど」。151キロのツーシームを詰まらせながら、右前への勝ち越し適時打。今季20打席目にして生まれた初安打がV打。「バットに当てたら何とかなると思ったんで必死でした」と3カード連続勝ち越しを呼び込んだ。

中村に続き木村と鈴木が負傷離脱。さらに背中の張りで森が2戦連続先発を外れた。試合前には松本リードの傾向と対策をレクチャーされ「今日勝って次のゲームにつなげられるように、森と今日も話して、松本をどういうように攻めるか教えてもらいました」と最速150キロの直球主体に変化球をちりばめた。昨年8月の左手親指と左膝手術から完全復活。捕手陣は森が不振、新人の柘植が台頭する中で「うかうかしてられない。結果残さないと1軍で試合出られないと重々感じている」と逆境で大きな存在感を示した。【栗田成芳】