開幕投手の大本命、阪神西勇輝投手(30)が23日、沖縄・宜野座キャンプを離脱した。せきなどぜんそくの症状が治まらずこの日、帰阪。今後、検査などを受ける。キャンプに復帰する予定はなく、今季初実戦を予定していた27日の練習試合・中日戦(北谷)の登板も回避。開幕に向けてギアを上げる段階だったが、虎のエースが思わぬアクシデントに見舞われた。

  ◇   ◇   ◇

開幕投手が有力視される西勇が、キャンプ地から姿を消した。この日は球場に姿を見せたが、メイン球場でミーティングを終えると、別メニュー中の高橋と隣接する宜野座ドームへ移動。その後は全体練習に加わることなく、球場を後にした。キャンプ序盤から続いていたせきなどのぜんそく症状が改善されず、首脳陣やトレーナーとも話し合いを重ねた結果、帰阪することを決断。検査などを受けることが最善と判断した。

矢野監督も心配そうな表情を浮かべた。「ちょっとせきがね。このキャンプ、そういうのが続いていた。コンディション的にも難しいなとトレーナーと話をして。キャンプも残り1クール。それやったら1度帰って、いろいろやってみて、時間を使った方がいい」。肩肘などの故障ではないとはいえ、現時点で詳細が分からないだけに、指揮官も気がかりだ。

西勇は18年オフ、FAで阪神に加入。昨季は移籍後初の開幕投手を務め、自身3年連続2桁となる11勝5敗、防御率2・26の成績を収めた。今キャンプはせきの影響が腰の張りにもつながり、一時ペースダウンしたものの、前日22日には4日ぶりブルペンで24球の投球練習を実施。「うまく体の調子を合わせながらマイペースでやっていますね」と話していた。矢野監督から2年連続の大役を託されることが確実視されているだけに、キャンプ離脱はチームにとっても衝撃だ。

今後について矢野監督は「(検査などが)進んでみないと分からない。こっちの理想としては3月に入って、またね。普通にいければいいけど。ちょっと先のことは分からない」と話した。キャンプには戻らず関西で調整し、今季初登板を予定していた27日の中日戦も回避が決まった。3月のオープン戦で実戦を重ねれば開幕には間に合う。ただ、大黒柱の離脱が長引けば、先発ローテーションにも大きな影響を及ぼす不安要素になることは確か。症状が早期に改善されることを願うしかない。【桝井聡】

▽阪神金村投手コーチ(西勇について)「3月入ってからでも十分、開幕までは何試合も投げられるはずやから。おおごとじゃないうちに早めに手を打とうということで。しっかりできることをずっとやってたし、そんなに心配は(していない)。体力が落ちるほど休むほどでもないと思うし」

阪神担当のツイッターはこちら―>

阪神ニュース一覧はこちら―>