西武松坂大輔投手(40)が今季限りで現役引退することが6日、分かった。

横浜高で甲子園を沸かせ「平成の怪物」と呼ばれ、99年西武入り。大リーグではレッドソックス、メッツなどを経て、15年にソフトバンクで国内に復帰した。その後は中日から20年に古巣・西武に戻ってきたが、1軍登板は0だった。日米通算170勝(日本114勝、メジャー56勝)を挙げた球界屈指の右腕がユニホームを脱ぐ。

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平成の怪物がユニホームを脱ぐ。複数の球界関係者の話を総合すると、松坂が23年のプロ野球選手生活に区切りをつけることを決断した。西武復帰2年目の今季は、昨年7月に受けた脊椎内視鏡頸椎(けいつい)手術の影響で1軍、2軍ともに登板ゼロ。ブルペン投球もできていなかった。埼玉・所沢の球団施設にもほとんど姿を見せることなく、リハビリをしながら回復に努めていたが、投球ができるところまで回復できる見込みがたたず、現役引退を決めた。

日本中を怪腕でわかせてきた。横浜高校ではエースとして甲子園を春夏連覇。「平成の怪物」と呼ばれ、98年ドラフト1位で入団した西武では1年目から、最多勝を獲得し怪物ぶりを発揮。「リベンジ」や「自信が確信に変わった」など名言を残した。06年オフにはポスティング制度を利用して5111万1111ドル11セントで独占交渉権を獲得したレッドソックスと6年契約で入団。1年目から15勝、2年目には18勝を挙げ、ワールドシリーズ制覇に貢献した。その後はメッツなどを経て8年間のメジャーを経て、14年オフにソフトバンクで日本に復帰した。

国内に戻ってからはけがとの闘いだった。ソフトバンクでは16年10月の1登板のみ。17年には右肩を痛め3年間で勝利を挙げられなかった。18年、テストを経て中日入り。その年、かつての剛速球ではなく変化球主体のスタイルに変貌を遂げ6勝。40歳を前にして「(自身の野球人生が)こんなにケガしていると思わなかった」と苦しんだ。

20年、古巣の西武に戻ってからは、日米通算200勝を目指し「諦めずにその数字は追い求めていきたい」と語っていたが、自ら引退を決断。数々のドラマで感動を呼んだ怪物右腕は、チームがペナントレースを繰り広げる中、静かにマウンドを降りる。

◆松坂大輔(まつざか・だいすけ)1980年(昭55)9月13日生まれ。東京都出身。横浜高で98年甲子園春夏連覇。同年ドラフト1位で西武入団。1年目の99年に16勝で新人王に輝き、同年から3年連続最多勝。07年レッドソックスに移籍。インディアンス、メッツを経て15年ソフトバンク入団。18年中日に移籍し、昨季から西武に復帰。182センチ、92キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸2000万円。

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