広島大瀬良大地投手(30)が、13日阪神戦(京セラドーム大阪)から再開する後半戦の“開幕投手”を託された。佐々岡監督が「エースとして頑張ってもらいます」と明言した。11日、マツダスタジアムで非公開で行われた投手練習に参加した右腕は「1発目は大事。チームが勝てるように、粘り強くゲームをつくっていけるように頑張りたい」と引き締めた。

前半戦は苦しんだ。開幕から3戦2勝と好調だった中で、4月中旬に右ふくらはぎを負傷した。約1カ月後に1軍に戻ったが、復帰後は先発登板で自己最長となる7試合連続で勝ち星なし。「思うような形で投げられる試合が少なかった」。壁を打破するべく、下半身主導のフォームの土台作りに重点を置いた。またグラブの位置やプレートの足の位置を変えるなど試行錯誤を重ね、不振からの脱却へ全力を注いできた。

東京五輪では多くの刺激を受けた。野球だけでなく柔道では、大瀬良が通っていた鹿児島・霧島市立国分南中で1学年上の女子78キロ級の浜田尚里(30=自衛隊)、母校長崎日大の2学年後輩にあたる男子81キロ級の永瀬貴規(27=旭化成)というゆかりある2人が金メダルを獲得した。他競技にも母校の後輩が出場していたといい「純粋に自分の限界にチャレンジしている姿はかっこいいなと思った。すごく心を動かされる期間になりました」と目を輝かせた。

「僕の姿を見て、何かを感じてくれる人が1人でもいたらうれしい。そういう投球ができるように、一生懸命努力して頑張っていきたい」。今度はプロ野球選手の1人として、感動を届ける番だ。【古財稜明】

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