西武松坂大輔投手(41)の現役ラスト登板は四球だった。

引退試合で先発に臨み、日本ハム先頭の近藤と対戦。横浜高の後輩に対し、初球118キロは高めに抜けてボール。続く118キロは見逃しストライク。その後2球ボールが続き、カウント3-1。最後は5球目の116キロがインコースに外れ、四球となった。

打者1人限定の登板だった。投げ終わった直後の表情は硬かったが、マウンドに内野手と捕手森、西口投手コーチが集まると笑顔になった。同コーチと言葉を交わした後、野手陣と握手。立ったまま登板を見守ったスタンドのファンに手を振り、小走りでマウンドを降りた。

そのまま、日本ハム側ベンチの方に向かい、一礼。西武ベンチに戻り、辻監督と握手した。

「最初、グラウンドに出た瞬間のファンの皆さんの拍手に感動しました。正直、プロのマウンドに立っていい状態ではなかったですが、最後の相手になってくれた、北海道日本ハムファイターズの皆さん、打席に立ってくれた近藤選手、そして今日球場までお越しいただいたファンの皆さん、球場には来られなくてもテレビなどで応援してくれたファンの方々に感謝しています」とコメントした。

日米通算377試合目のマウンド。「平成の怪物」が現役生活に別れを告げた。

◆松坂大輔(まつざか・だいすけ)1980年(昭55)9月13日生まれ、東京都出身。横浜で98年甲子園春夏連覇。同年ドラフト1位で西武入団。1年目の99年に16勝で新人王に輝き、同年から3年連続最多勝。07年にレッドソックス移籍。インディアンス、メッツを経て15年ソフトバンク入団。18年中日に移籍し、20年に西武復帰。主な表彰は最優秀防御率2度、最多奪三振4度、01年沢村賞、18年カムバック賞。00年シドニー五輪、04年アテネ五輪、06、09年WBC日本代表。182センチ、92キロ。右投げ右打ち。

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