<日本シリーズ:日本ハム0-2巨人>◇第6戦◇7日◇札幌ドーム

 頼もしきリーダーが攻守に巨人を引っ張った。阿部慎之助捕手(30)が2回に先制二塁打を放ち、守っても6投手の無失点リレーを演出。7年ぶりの日本一の立役者はMVPに輝き「みんなで勝ち取った日本一。最高です」と叫んだ。

 先発の東野が打球直撃で降板した直後の2回2死三塁。直球2球でカウント1-1からの3球目、外角スライダーをとらえた。「少しタイミングを外された」と言うが、軸足に体重を残し、体を開かず打ち返す。打球はぐんぐん伸びて、中堅フェンスを直撃。「絶対に先制点がほしかったので良かった」と喜んだ。

 その後は守備に神経を集中した。内海には直球主体の組み立てで腕を振らせ、好投を引き出す。6回途中からも救援陣をもり立て、失点を防いだ。9回は2死二、三塁と一打同点の大ピンチ。4番・高橋を空振り三振に仕留めるとマスクを脱ぎ捨て、わき上がる歓喜にようやく身を委ねた。

 入団2年目の7年前より大きな感慨がある。「若い選手に日本一ってすごいんだと味わわせてあげたかった。正直、本当に苦しかったが、最後にみんなで喜べて良かった」。チームの先頭に立ち続けた1年が最高の結末を迎え、心からの笑みがこぼれた。

 [2009年11月8日2時35分]ソーシャルブックマーク