巨人の球団代表を解任された清武英利氏(61)が読売新聞記者時代に取材に関わった書籍の復刻出版をめぐり、読売新聞東京本社が「七つ森書館」(東京)に対し出版契約の無効確認を求めて提訴したことを受け、清武氏が17日、東京・有楽町の外国人記者クラブで会見した。

 清武氏は「理由にならない理由をつけてこの本を復刻させまいとするのはあまりに理不尽で恥ずべき行為だと思う。私が渡辺会長の球団私物化を告発して半年になるが、読売新聞によるさまざまな嫌がらせのような行為が続いている。出版妨害と言われても仕方のない今回の訴訟が、もし渡辺会長の指示だとしたら、ぜひ側近の人々は『もういいかげんにしてはどうか』と権力者に進言してもらいたい。読売の人々は嫌がらせをやめる、あるいはやめさせる勇気を持ってほしい」と、話した。

 問題になっている本は、読売新聞社会部著「会長はなぜ自殺したか」(1998年、新潮社)。今年1月に七つ森書館から復刻本が刊行される予定だったが、清武氏の解任後、読売側から出版契約を解除したいとの申し入れがあった。七つ森書館は契約書通り出版すると回答したため、4月11日に読売新聞東京本社が出版契約無効確認請求事件を提訴した。