<DeNA0-9中日>◇28日◇横浜

 中日山井大介投手(35)が、史上77人目、88度目となるノーヒットノーランを達成した。

 味方打線が1回にいきなり7点を先制。大量リードに守られ、打者29人に対し無安打4四球3奪三振、115球の力投だった。

 最後の打者となった俊足内村を外角低めの変化球で打ち取った。ゴロをさばいた山井は、猛ダッシュで駆け寄った谷繁と抱き合い、喜びを爆発させた。

 興奮冷めやらぬヒーローインタビューでも感無量の様子だ。「本当に何か、信じられない。何か、分からない。何か、うれしい」。山井の声も自然とうわずった。絶好調というわけではなかったものの、逆にそれが丁寧な投球を引き出した。「谷繁さんの思ったところに投げられなくてバタバタしていたけど(リードで)引っ張ってくれて感謝している。自分としては狙ったところにいった球が何球だったかな」。

 07年、日本ハムとの日本シリーズでは8回までパーフェクトに抑えながら、9回は岩瀬にマウンドを譲った。10年8月18日の巨人戦でも無安打試合にあと3人と迫ったが幻と終わった。

 そんな悔しい思いをしたからこそ偉業達成の喜びも2倍、いや、3倍増だ。

 「ピッチャーをやり始めて初めてのノーヒットノーラン。みんなの気持ちがこもっているので家に飾っておきたい」。

 インタビュー途中にうれしいウイニングボールが手元に届いた。切れ長の目を一段と細めた山井は、勝利を味を存分にかみ締めていた。