<ヤクルト5-2阪神>◇3日◇神宮

 ヤクルト久古健太郎投手(27)が、史上2人目の「打者0人での勝利投手」という珍記録を達成した。

 1-1の8回2死一塁で登板。阪神鳥谷への5球目の前に一塁へけん制球を投じると、一塁走者大和が飛び出して二塁でアウトになった。その裏に4得点の際に代打を送られており、「打者0人、4球」で今季初勝利を挙げた。

 左手血行障害の手術を乗り越えて復活してきた苦労人の性格は、実直かつ控えめ。それだけに、第一声は「申し訳ないです。変に注目を浴びるのが苦手なので、そっとしておいてほしいです…」だった。それでも多くの報道陣に囲まれ、丁寧に言葉を選ぶ。「僕がいい投球をしたわけじゃないですけど、チームが打ってくれて勝ちがついてくれて素直に感謝します。木谷がすごくいい投球をしていたので先発に勝ちがつけば良かった。次は勝っている試合でいい投球ができるように、これを続けていきたい」と、最後まで恐縮しきりだった。

 ちなみに、久古の勝利で、ヤクルトの借金は「9個」に減った。