<オープン戦:中日3-4西武>◇4日◇ナゴヤドーム

 FA加入した中日和田一浩外野手(35)が4日、新本拠地ナゴヤドームで会心のデビューを飾った。古巣西武相手にオープン戦初登場。5番左翼で先発し、2回先頭の第1打席で西口から中前打を放った。3打数1安打で途中交代。最高のスタートとなった。

 和田が、注目の初打席でいきなり結果を出した。2回先頭の第1打席。カウント2-2から西口が投じた130キロの中寄りの直球をはじき返した。セカンドの左を抜ける中前打。地元ファンに拍手を送られて、一塁ベース上ではにかんだ。オープン戦は練習の一環として「たぶん打たないと思います」と予告していたが、いい意味で裏切った。

 「打てるとは思っていなかった。少し甘い球だったのでたまたま打てた。これから始まるという意味ではいいスタートが切れた」

 自分で決めた本拠地開幕でのオープン戦初登場は、古巣西武との決別の1戦でもあった。試合前には古巣の仲間と談笑。西口には真っ先にあいさつされた。「お互い頑張ろうという話だった。ユニホームが変わって西口と対戦して、個人的にはおもしろかった」。イニング交代時に西口とすれ違った際には「球、おせーよ」と軽口も飛ばした。35歳のベテランから新天地に踏み出した喜びがあふれていた。

 3打数1安打で途中交代。結果以上の手応えもあった。5回の第3打席にはカウント1-1からストレート待ちのまま、3球連続して変化球をファウル。結局三ゴロに倒れたが「今のこの状態でよくバットに当たってくれた。キャンプで打つ量を多くした分、違和感なくバットが振れている」と振り返る。11年間所属した古巣に対する区切りの一打を放ち「ベストの状態で開幕を迎えたい。どんどん打席に立って投手との距離をつかんでいきたい」と前を見据えた。【益田一弘】