労組日本プロ野球選手会(ヤクルト宮本慎也会長)が16日、都内でNPB(日本プロ野球組織)とフリーエージェント(FA)問題について協議したが、決裂した。交渉は4月末まで継続となったが、合意の見通しは立たなかった。NPB側が提示した案の柱は3点。(1)権利取得期間は国内FAのみ8年に短縮(2)人的補償を廃止し「FAで選手が流出した球団は翌年の支配下選手枠、出場選手枠がそれぞれ1名増」という代替措置を導入(3)金銭補償の金額を段階的に減額し、年俸がチーム内で1~3位の選手はA、4~10位はB、11位以下はCと分け、Aは80%、Bは60%、Cは0とする。

 巨人清武球団代表が「かなり譲歩した球団もある。数年前なら考えられない」とした内容だったが、選手側の主張とはそれぞれの点で開きがあった。

 宮本会長は「全部が中途半端。話し合う余地はあるけど今日に関しては決裂です」としてNPB側に再考を求めた。「7年」の提示や補償金の大幅減額など、いずれかの部分で踏み込んだ内容とならない限り、訴訟も視野に入れる選手会との合意は厳しそうだ。