<西武1-2オリックス>◇23日◇西武ドーム

 オリックス近藤が6回を1失点に抑え、今季初勝利を挙げた。これが近鉄時代の04年以来となる自身2勝目。オリックス、近鉄の合併後、初めての白星となった。

 2回にG・G・佐藤のソロで1点を先制された。正念場は4回。2死一、二塁のピンチで、フルカウントから中村を外角直球で空振り三振に仕留める。グラブを右手で4回たたき喜んだ。

 プロ7年目でも初々しい。観客席で両親が見守る中、ヒーローインタビューでは「やっとオリックスの一員になれました」と、はにかんだ。同年齢で仲の良い金子が開幕戦に勝利し「金子ができるなら、ボクもできるんじゃないかな、と」と大きな刺激を受けていた。

 日大三高時代は01年夏の甲子園で優勝投手となった。だが、プロ入り後は右肩痛など故障に苦しんだ。球威を求め体を大きくしようと、食事量や筋力トレを増やし、入団時より体重7キロアップ。昨季はウエスタンリーグで最多勝に輝き、チャンスを待った。平野、岸田らの故障離脱で回ってきた先発チャンスを、逃すわけにはいかなかった。

 「今までチャンスがあって勝てなかったのは、試合に入りすぎて力んでいた。言い方は悪いけど、軽いというか、自然な気持ちでした」。精神的な成長が根底にあった。味方野手のエラーにも心は乱れない。火の車だった先発の台所事情を、近藤の冷静さが救った。【今井貴久】