オリックス清原和博内野手(40)も、桑田の引退発表にショックを隠せなかった。左ひざリハビリ中の神戸市の合宿所で会見。「心の中の整理がつかない。桑田が決断したことだけど、ポッカリ穴があいている状態です」と言葉を詰まらせた。

 出会いは15歳の春のPL学園。「普段は声も小さいし体もそんなに大きくない。でもユニホームを着ればすごい球を投げるし、打てば僕より飛ばした」。清原が「この男には勝てない」と投手を断念し、打者で勝負するきっかけとなった。

 2度の全国制覇などでPL黄金期を築いた後、運命のドラフトで激しく揺さぶられた時期もあった。だが出会いから25年間、親友、ライバルとしていつも心の支えになっていた。

 「桑田がいなければここまでやれていなかったと思う。存在が僕自身を磨いてくれた。今のリハビリでも、桑田も頑張ってるから僕も頑張ろうと思っていた」

 昨年桑田が大けがを克服してメジャーのマウンドに立った姿は、何よりの励みだった。掛けたい言葉を問われると「お前、かっこ良かったな。うん、多分そう言うな」とほほ笑んだ。

 桑田の引退で昭和42年会現役は清原1人になった。そんな友に最後とも言える特別なお願いだ。「日本に帰ってきた時はぜひ神戸に来てもらっていろんな話をしたい。そして僕が1軍に上がる時は、桑田の球を打ってから試合に出たい」。桑田に打撃投手を務めてもらい、復帰戦の打席に送り出してほしいと願った。【松井清員】