<横浜4-8ヤクルト>◇2日◇横浜

 ヤクルト増渕が昨年のプロ初勝利に続き、今季初勝利も横浜から挙げた。プロ1勝目と同じ横浜のマウンドで、苦しみながらも白星をつかんだ。「(攻撃陣の援護に)助けられてラッキーでした。内容が内容なのであまり喜べないです」。うれしさ半分、反省半分の今季初登板となった。

 4点リードで迎えた5回だ。3四球から2死満塁のピンチを迎えた。勝利投手の権利まで、あとアウト1つの場面で踏ん張った。「粘れないと、この先やっていけないので」。代打ジェイジェイを144キロの外角直球で見逃し三振に仕留めると、こん身のガッツポーズも飛び出した。高田監督も「よくしのいでくれたね」とたたえた。

 母洋子さん(40)もスタンドから見守った今季初登板。その母のアドバイスによって決めたという、「今年のラッキーカラー」である青色の新調グラブでこの日はマウンドに上がった。グラブの中には「親孝行」の文字を刺しゅう。登板前には毎回メールで激励を受ける母へ「初めて勝った姿を見せられました」。内容に不満をこぼしながらも、立派に親孝行を果たした。

 横浜村田に本塁打こそ浴びたが、昨年から横浜戦は相性が良く、今季は「横浜キラー」としての活躍も期待される。「次は内容も良く、スムーズに試合を運びたいですね」。昨年遠かった1勝を、今季はすんなりとつかみ、資格の残る目標の「新人王」へ向けても最高のスタートを切った。【松本俊】