中日が11日からの広島3連戦に「先発7人体制」で臨む。10日の阪神戦が雨天中止となり、チームは甲子園の屋内練習場で調整した。森繁和バッテリーチーフコーチ(53)は「当面セットアッパーはいらない」と明言。先発投手7人の1軍選手登録をキープし、リリーフを兼務させる考えを明かした。西武に移籍した中継ぎエース岡本の穴は、スターターの1人2役で埋める。

 中日は超異例の投手起用でシーズンを戦う。森バッテリーチーフコーチは「当面セットアッパーはいらない。いい投手から使っていく」と明言した。流出したセットアッパー岡本に代役をたてるのではなく、先発投手がリリーフして穴を埋めるプランだ。

 中日は開幕早々から7人の先発投手を1軍選手登録させ、テストを重ねてきた。山本昌が2軍落ちし、入れ替わりで山井が昇格したが、その山井も9日の阪神戦でリリーフとして機能。先発2人をつぎ込み守護神岩瀬につなぐ形が固まった。もちろん相手や展開によって細かい継投もあり得るが、先発、中継ぎ、抑えの分業が確立された現在では珍しいリレーだ。

 先発陣が充実していることが後ろ盾だ。ここまで11試合で7投手が先発し、チーム防御率は12球団ダントツの2・09を記録。森コーチは「1イニングの中継ぎでも3連投になれば厳しい。それならば先発に3回、4回と投げさせる。先発は長い回を投げる練習をしているし、他の投手も休める。延長戦にも対応できる」。

 五輪期間中の戦いも想定しているようだ。守護神岩瀬やエース川上が代表入りすれば、やりくりは格段に難しくなる。余裕のあるうちに中継ぎの疲労を極力抑え、非常事態に備える必要がある。甲子園で調整した山井はこの日「まだ先発か中継ぎかはわからないが、どちらでもいく準備をする」と気合を入れた。

 森コーチは「先発は最大で8人を入れてもいい」とさらなるウルトラC計画も明かした。2軍では川井、佐藤充、山本昌も昇格を狙っている。12球団屈指の先発陣が、連続日本一のカギをにぎる。【益田一弘】