<横浜2-1阪神>◇11日◇横浜

 横浜三浦は、今季初のお立ち台で笑みがこぼれた。「開幕にいられなかったので、何とかしたいと思ってました」。熱投132球。8回1失点で、阪神安藤との投手戦を制した。右肩の張りで調整が遅れ、開幕戦は回避。今季2試合目での初白星に、歓声が響き渡った。

 序盤のピンチを最少失点で切り抜け、波に乗った。2回に先制点を献上。続く3回は無死一、二塁から踏ん張った。3番新井にカウント2-3から内角への直球勝負で、遊ゴロ併殺。次打者の金本にも内角直球で、見逃し三振に仕留めた。「金本さんが打席に入ると阪神ファンが盛り上がる。よし、抑えてやろうと思いました」と、敵の声援すらパワーに変えた。

 2000本安打に王手の金本との対戦に注目が集まった。この試合まで、通算打率3割5分6厘。被安打64は、対戦した投手の中で一番多く打たれている。完投でプロ初勝利をマークした93年9月4日の広島戦(北九州)ではソロを浴びて完封を逃した。「対戦も多いし、いい打者だからね。感想?

 打たれれば同じ。打たれたくない」。この日は、勝負どころで上回った。

 連敗は3でストップ。大矢監督は「三浦から回るのが(本来の)ローテとみていた。初めて投手で勝てた試合。チームに勢い?

 まだ、ないです」と冷静に言った。しかし、これからの勢いを予感させるエースの働きだった。【古川真弥】