<ヤクルト2-1中日>◇25日◇神宮

 「痛って~」。思わず漏らしたうめきは、中日小田の本音だった。休養のためベンチを温めた谷繁に代わり、今季初めてスタメン出場。完封ペースで朝倉をリードし、8回には今季初安打も放ったが、終わってみれば逆転負け。しかも、体はボロボロ…。涙がじわりとあふれそうな1日となった。

 8回裏の守りだった。1死一塁でリグスに右中間二塁打を許し、一塁走者ガイエルが本塁突入してきた。ホームベース上でバックホームを待っていたところ、強烈なタックルを脇腹に受け転倒。衝撃と痛みでしばらく起き上がれず、同点のホームインも許した。さらに宮本に逆転タイムリーも浴びた。

 待ちに待った先発チャンスだった。キャンプで第2捕手争いに勝ち1軍帯同を続けているが、ここまでの出場は4月19日の横浜戦(横浜)で1イニングマスクをかぶっただけ。連日早出特打を行い、スタメン起用に備えてきた。苦労が報われかけていただけに、ダメージは大きい。

 「(タックルは)やられました。でも、しようがない。誰でも来るでしょう。それより負けたことが…。点を取られたのはボクの配球ミスです」。顔をしかめながら、言葉を絞り出していた。【村野

 森】