阪神が「五輪補強」に着手することが18日、明らかになった。有力候補として、昨年まで在籍したダーウィン・クビアン投手(35=元韓国SK)をリストアップ。チームは首位を快走中だが、アッチソンの負傷や杉山の背信投球など先発投手陣に不安要素がある。北京五輪(8月)による戦力流出も想定。期間中の外国人登録枠が1人増の5人に拡大する動きもあることから、補強を検討。阪神に3年間在籍し先発、リリーフも経験あるダーウィンは、シーズン途中の合流もスムーズだけに有力だ。

 歴史的な快進撃を続ける阪神がグラウンド外でも攻めの一手を繰り出す。他球団がうらやむ戦力を有しても、油断は禁物。球団首脳は言う。「獲得可能な6月末まで、幅広く選手をリストアップしている。五輪期間中は外国人の登録枠も増える方向だし、しっかりと戦力を整えておきたい」。リーグ制覇を盤石のものとするために、外国人補強に着手することになった。

 その有力候補に挙がっているのが、右腕ダーウィンだ。昨年まで3年間、阪神に在籍。今年は韓国のSKに入団したが、3試合に登板しただけで防御率12・86と振るわず、4月中に早々と解雇された。「環境面で合わなかったようだ。日本でならば、まだやれるはず」と同首脳は力量面の問題ととらえていない。オフは、外国人を2軍で余らせることを嫌い、1軍登録上限の4人ジャストの補強にこだわった。アッチソン、フォードの獲得で、ダーウィンとの契約を打ち切ったが、実力は評価していた。

 首位を快走するチームでは外国人補強自体が異例のアクションだが、「転ばぬ先のつえ」という言葉がある。8月の北京五輪では藤川や新井ら主力選手の流出が避けられない。限定措置として、外国人の1軍登録枠も5人に増える方向性が出ている。これを使わない手はない。

 ここにきて、アッチソンの故障やこの日の杉山のKO劇など先発投手陣も万全ではなくなってきた。トレード補強した金村暁の調子も上がってこず、投手陣が手薄になりかねない。ダーウィンは先発、中継ぎともに経験がある。日本球界に慣れており、シーズン途中の合流も問題はない。同じベネズエラ出身のバルディリスのサポート役にも適任だ。

 もちろんダーウィンだけでなく、米国のメジャーやマイナーでプレーする選手のリストアップ作業も進めている。今後、球団は慎重に検討を重ね、最善の補強策を練ることになる。