故障者続出に泣く日本ハムに2日、交流戦連覇への黄信号がともった。1日の阪神戦で死球を受けた高橋信二捕手(29)が左手第5中手骨(ちゅうしゅこつ)を骨折したことが判明した。3日に出場選手登録を抹消され、長期離脱は避けられなくなった。5月25日の巨人戦でリードオフマンの森本が死球を受け、同個所の骨折で離脱したばかり。開幕直後から予想外の故障禍に見舞われ、交流戦だけでなく、リーグ戦にも影響しかねない事態となった。

 ただでさえ迫力不足の打線から、森本に続き、中軸の高橋まで去ることになった。今季はスタメン4番で27試合出場するなど、打率2割9分5厘(規定打席未到達)と好調だったが、骨折で全治1カ月。梨田監督もみけんにしわを寄せながら「4番を打ったりする選手の代わりはいない。穴は、投手で埋めるよ」と言うほどの衝撃だった。

 前夜の検査では詳細は分からなかったが、一夜明けたこの日、札幌市内の病院で精密検査を受け、重傷だったことが判明。3日に出場選手登録の抹消が決まった。わずか1週間で、リードオフマンと主砲格の交流戦期間中の復帰が絶望になった。

 年明けから、故障禍に見舞われている。まずは大学・社会人ドラフト1巡目の即戦力新人の多田野が自主トレ中に左手首を骨折。現在は復活し先発陣入りし、無傷の2勝と活躍しているが、大きく計算が狂った。野手だけではなく、先発ローテの3本柱の1人として3勝負けなしと貢献していた武田勝が、打撃練習中だった相手チームの打球が直撃して左手親指末節骨骨折。金子誠もいまだ2軍調整中。稲葉も右臀部(でんぶ)の張りを抱えながら強行出場しており、さらに予断許さない状況が続いている。

 高橋は「すでに数選手のケガが起きたあとだけに、骨折は残念。1日も早くチームに復帰できるようにやっていく」とコメントした。梨田監督は「シーズンをリタイアしますというわけにはいかない」と頭を抱えるような惨状。パ連覇中の覇者に、夏到来を待たずに試練の時が来た。【高山通史】