<横浜3-9日本ハム>◇8日◇横浜

 横浜内川が暗い話題先行の中で唯一目立った。4度打席に立ち、規定打席に到達。打率3割9分9厘で首位打者に躍り出た。シーズン途中とはいえ50試合を消化。大矢監督は「今の気持ちでいけば、そんなに崩れることはないだろう」と目を細めた。

 この日も、価値ある働きだった。初回、日本ハム藤井から先制5号ソロ。5回には右翼線二塁打で、一時は打率4割を超えた。ここまで、わずか3四死球と積極的な姿勢が生きている。だが、低迷するチーム成績に「素直に喜べません。自分が打ったからいいやとは言えない」と、笑顔はなかった。

 かつてのドラフト1位ルーキーも、プロ8年目。期待されながら、レギュラーに定着できずにきた。今季も開幕は控えだった。「試合に出られないことが、こんなにつらいとは」と言ったこともあった。悔しさに耐え打撃好調を維持。4月末、外野手ながら一塁でレギュラーの座をつかんだ。

 「規定打席?

 資格を得られたのはうれしいけど、シーズンが終わったときにどれだけ残せるかです」。昨季から、試合前に相手投手のビデオを見て研究を重ねている。一塁守備は連日のノックで向上中だ。マイファーストミットも届いた。ようやく地道な努力が実りつつある。【古川真弥】