<阪神4-3中日>◇2日◇甲子園

 阪神岩田稔がまたも「6勝目の壁」に跳ね返された。懸命に投げ、5回を2失点にまとめた。それでも白星はつかなかった。1、2回をパーフェクトに抑えた立ち上がりから急変。ポイントは2点リードの3回だった。7番デラロサから始まる下位打線。いきなり左前打を許すと、清水将には不用意に四球を与える。山本昌に送りバントを決められ走者は二、三塁に進塁。荒木の中前打で、あっけなく同点に追いつかれた。

 「先頭打者を簡単に出してしまい、無駄な四球も出してしまいました。絶対に出してはいけない場面ですが…。(バントも)簡単に送られましたし…」

 再び1点をリードしてもらっていた5回は1死二、三塁から耐え、勝利投手の権利を手にして降板したが、江草の被弾で吹き飛んだ。だが悔しさよりも、自らの詰めの甘さを猛省した。

 「2回ああいう形で行って、7番からの打順でな。踏ん張ったといっても自分で作った走者やし」。岡田監督も手厳しかった。5月17日ヤクルト戦で5勝目を挙げて以来、白星から遠ざかる。

 満を持して中10日のマウンドだったが、白星は縁遠い。それでも優勝するために欠かせぬ左腕。逆境を乗り越えた先に、必ず光があるはずだ。【酒井俊作】