<阪神4-1中日>◇3日◇甲子園

 中日朝倉健太が、阪神に3タテをくらったチームの光明となった。5月29日オリックス戦以来35日ぶりの先発で5回を7安打1失点。勝敗はつかなかったが、自分の役目を果たした。

 本来の粘りを発揮した。初回はわずか8球で新井に先制適時打を許したが「出ばなをくじかれたけど、気にはならなかった」。その後も4回まで毎回、得点圏に走者を背負ったが、120キロ台のスライダーを低めに集め再三のピンチを脱出。「自分の持ち味は出たと思う。全体的には悪くなかった」。5回には新井を二直、金本を二ゴロ、林を空振り三振。阪神の中軸を3者凡退させた。

 因縁のマウンドだった。甲子園の阪神戦は昨年9月14日以来。その試合では4回2死満塁から11球連続ボールを記録。2連続押し出しを与え自滅している。原因は心の乱れ。今季も時折、前触れなくボールが続くパターンがあった。

 この日は完全アウエーの甲子園で粘り強く投げて無四球。「(敵地の雰囲気は)別に気にならなかった」と悪癖の克服に前進した。

 約1カ月のファーム調整をへたローテの軸が、復調へのきっかけをつかんだ。中田が2軍落ちしており、かかる期待も大きくなっている。朝倉は「次は長いイニングを投げることと白星。チームに貢献できるようにしたい」と次回登板を見据えた。【益田一弘】