<中日2-7巨人>◇5日◇ナゴヤドーム

 落合竜がエース川上以外の先発陣の投壊現象が止まらず完敗。首位阪神とのゲーム差は今季最大の10・5と広がった。先発小笠原孝投手(31)は2回6失点で降板するなど序盤で大量失点を喫してゲームを決められた。森野&井端の復帰効果もなく、見どころのない敗戦。再び3位巨人とのゲーム差は1・5差と縮まった。

 試合は早々と決まった。2-4の2回1死一塁、先発小笠原は138キロの直球を投じた。中に甘く入ったボールで、巨人小笠原に14号2ランを浴びた。初回には5本の長短打を浴び4失点。その裏に2点を返してもらった味方の追撃ムードを吹き飛ばす痛恨の被弾だった。

 小笠原は2回7安打6失点で今季最短KO。「マウンドに立った時、今日はいけるかなと思ったけど。走者を出してリズムを崩した。チームに申し訳ない」とうなだれた。2番手清水昭も失点して序盤の3回で5点のビハインド。先発野手全員の2ケタ安打を放っても、2回以降は無失点に終わった。

 落合監督は「先に点をとられたこういうゲームで追いかけて10点勝負、11点勝負にできるようになって初めて本物じゃないか」とチーム全体の敗戦とした。だが森野、井端が1軍復帰した日に、序盤で大差がつく敗戦を喫することが、波に乗れない現状を物語った。

 エース川上以外、先発陣は総崩れだ。6月以降で先発の白星は22試合中7試合。その内訳は川上4勝、小笠原2勝、中田1勝。川上以外で最後に勝ったのは6月18日西武戦の小笠原。それ以降の最近9試合では川上をのぞけば、先発投手の勝利はなしで防御率は7・97。試合が作れない危機的な状況に陥っている。

 この日阪神が勝ち、ゲーム差は今季ワーストの10・5。首位との直接対決は残り13試合。早ければ9日広島戦で自力優勝が消滅する。それでも落合監督は「ずっと海底に沈んだままなんだから、そのうち浮上するだろう」と強気な姿勢を崩さなかった。【益田一弘】