<中日2-4ヤクルト>◇11日◇ナゴヤドーム

 中日川上憲伸投手(33)が8回に力尽きた。2-2の2死満塁。代打飯原にカウント2-1からのカーブを左手1本で捕らえられた。打球は三塁手森野がジャンプして思い切り伸ばした左手のグラブをかすめ、左前ではずんだ。2者の生還を見届けた川上は口をひん曲げ、右手でグラブをバシンとなぐった。後続を抑えたのはせめてもの意地。8回11安打4失点。「点を取られたらしようがない。調子はあまりよくなかった」。そのまま逃げ切られて今季4敗目を喫し、自らを責めた。

 苦しみ、粘り、耐え続けたマウンドだった。ボールは本来のキレを欠き、初回から安打を重ねられた。3回には先頭の投手石川の左中間二塁打をきっかけに2失点。4回にも得点にはつながらなかったが、再び石川に左前打された。それでもスローカーブを大胆に配する谷繁のリードに支えられて踏ん張ったが、援護は2点止まりだった。

 精彩を欠く先発陣の中で孤軍奮闘してきた。6月21日以来先発投手に勝ち星がついたのは川上の3勝のみ。ひとり踏みとどまってきたが、自身の連勝もついに5でストップ。重い敗戦となった。【村野

 森】