<阪神7-1中日>◇25日◇甲子園

 大敗の中、中日落合監督が動いた。7回1死一塁の場面で突然、三塁中村紀をベンチに下げた。右翼森野を三塁へ。右翼に藤井を入れた。なんと6点リードされた場面での守備固めだった。

 「これから考えなきゃいけない。すべてにおいて守り負け。だれがどうとかじゃなくな。本丸を守るための城壁が崩れたらなんぼでも攻め込まれる」。試合後、落合監督は常識破りの采配を説明した。高代野手総合チーフコーチも中村紀について「故障ではない」と話した。確かに初回の失点は1死一塁から右翼森野が三塁へ暴投したもの。この試合だけでなく今季阪神との15試合で11失策。指揮官は敗因を守り負けと断じた。そして「ノリ外し」は今後の戦い方へのメッセージのようだった。

 「やることはいっぱいあるわな。明日、考えるよ」。オレ竜の最大の武器は投手を中心とした守り。落合監督は布陣変更の可能性もにおわせて帰りのバスへと消えた。【鈴木忠平】