ソフトバンクが急きょ先発ローテーションを変更して、楽天2連戦(福岡ヤフードーム)に臨むことになった。9日、福岡ヤフードームで行われた全体練習に、プロ11年目の星野順治投手(34)を今季初招集。11日の楽天2戦目に緊急先発させることとなった。

 当初は4日のオリックス戦(京セラドーム大阪)で1047日ぶりの1軍勝利を飾った高橋秀を先発させるはずだった。だが、開幕から右の中継ぎとして奮投してきたルーキー久米が、後半戦に入って精彩を欠いていることもあり、この日のうちに1軍登録抹消を決定。右の中継ぎが手薄になるための措置として高橋秀を本来の中継ぎに残し、2軍調整を続けてきたベテラン星野に白羽の矢が向けられることになった。

 星野にとっては願ってもないチャンス到来だ。ここ数年は不振にあえぎ、過去2年の登板数はわずか6試合。先発登板は05年8月18日のオリックス戦(福岡ヤフードーム)までさかのぼることになる。今季、初めて1軍練習に参加した右腕は「1軍は久しぶりで、とても緊張したよ。昨日(8日)の夜、急に1軍に行けと言われた。ビックリしたけど、残り試合も少ないし、とにかく任されたところで結果を残すしかない。頑張るだけ」と意気込む。

 昨オフの契約交渉では、限度制限いっぱいの25%ダウンで更改。2年間で3000万円の年俸ダウンを味わった男は「来年もユニホームを着られるだけでうれしい。本当の意味での危機感も味わえたので、やるしかない」と腹をくくっていた。その思いを胸に、背番号33が久々の1軍マウンドに臨む。【石田泰隆】