<阪神4-11横浜>◇15日◇京セラドーム大阪

 拙攻続きの中にも、一筋の光りが見えた。実にチーム39イニングぶりに飛び出したタイムリー。意地の一打を放ったのは、代打の神様、桧山だった。

 「自分が出た時は、どんな場面でもいい結果を出そうと思っている。シモさんも最後まで粘り強く投げていたし、打線も最後までいい形でつながなアカンと思った」

 1-10と9点差が開いた7回裏。赤星、平野が連続安打で出塁し、鳥谷、金本の連続四球で1点を返す。そして「代打桧山」がコールされると、場内は待ってましたの大歓声に包まれた。7点を奪われた直後のチャンス。桧山は代わったばかりの横浜小山田の外角高めの直球をきれいにセンター前へと弾き返した。7月19日の中日戦以来、17打席ぶりとなるタイムリー。チームを勢いづかせるバッティングで、頼れる代打の切り札として、本来の姿を取り戻した。

 これで今季の代打成績は3割2厘。再び打率を3割へと戻した。だが9回には二ゴロで最後の打者となり、ゲームセット。「きょうは言うことないけどなあ…」。白星が伴わない結果に、喜びはない。それでも、この一打は、必ずや未来の勝利へとつながるはずだ。【福岡吉央】