ソフトバンク王貞治監督(68)が23日、北京五輪に出場し、左足骨膜炎を悪化させた川崎宗則内野手(27)を、24日の帰国後は治療に専念させる方針を示した。楽天戦に備え、仙台入りした王監督は川崎の起用法について「とにかくどういう状態かを正確に確認しないと。手なんかより足の方が時間がかかるわけだから。まずは治療に専念させる」と話し、治療を優先する考えを明らかにした。

 川崎は五輪合宿中に左足の甲を痛め、13日のキューバ戦で症状が悪化し、途中交代。現地で検査を受けた結果、左足第2中足骨骨膜炎の悪化と診断され、14日以降の1次リーグではスタメンから外れた。準決勝には「9番遊撃」でスタメン出場したが、23日の3位決定戦も欠場した。

 勝負の9月、さらにはクライマックスシリーズも視野に入れ、王監督は川崎を“温存”する。川崎は当初、25日の楽天戦からのチーム合流を希望していた。だが、王監督は「仙台には来ません。五輪と違ってあせらせる必要はなし」と合流を先送りする考えを示し、まずは近日中に精密検査を受けさせる意向だ。

 シーズンは残り32試合。「五輪が終わってからが本当の勝負」と王監督は位置付けてきた。7月18日に雨天中止となった楽天戦は追加日程が決定せず、10月に組み込まれる見込み。24日からの2連戦も天気予報では降水確率70%以上、と中止になる可能性が高い。「追う側としては試合を残した方がいい。明日も明後日も天気は良くないみたいだね」と王監督。西武にマジック26は点灯しているが、王監督にはまだ切り札がある。