<ヤクルト0-3阪神>◇25日◇神宮

 阪神安藤優也投手(30)は冷や汗をたらしながらも巨人グライシンガーに並ぶハーラートップの12勝目を挙げた。6回を無失点に抑えたが、5度も得点圏に走者を背負った。6回も2死二、三塁とされ、ヤクルトの代打ユウイチの打球が一、二塁間を襲った。これを一塁高橋光がダイビングキャッチし、一塁ベース付近にトス。ボールをつかんだ安藤がベースを駆け抜け、間一髪でアウトにした。「もう、めちゃめちゃビッグプレーです。勝負どころで粘れた。ピンチの時こそ攻めていかないと、と思って投げました」と言った。

 威力ある内角直球、シュートで何度も右打者を詰まらせた。昨季はわずか2勝だったが、今季はリーグを独走するチームのエースとして君臨する。「まだ1カ月半以上シーズンが残っている。まだまだです。気を引き締めて1つ1つマジックを減らしていきたい」。ファンに右手をあげた男には風格、自覚が漂う。

 チームは4連勝で優勝マジックを29とした。03年は井川、05年は下柳。リーグ優勝した年、猛虎のエースは最多勝に輝いた。優勝だけを目指した結果、タイトルがついてこれば、言うことはない。【佐井陽介】