<阪神4-0中日>◇26日◇甲子園

 中日が5安打完封負けで貯金を使い果たし、借金生活突入のピンチを迎えた。北京五輪帰りの森野が復帰したが4打数無安打で起爆剤となれず、復帰2戦目の荒木も無安打に終わった。完封負けは今季9度目で、今月4度目。ポイントゲッターの和田が腰痛で3戦連続欠場するなどベスト布陣が組めない中、4位広島に1ゲーム差に迫られ、クライマックスシリーズ圏内の3位の座も危うくなった。

 落合監督は少し語気を強めた。「阪神も(かつては)嫌というほど、同じ思いを味わっただろ。ウチは丸裸にされているんだ。(相手の)仕事だもの。だからこういう成績になっている」。今季9度目の完封負けで、対阪神は4勝13敗1分け。リーグ制覇した06年には14勝7敗1分けと、かもにした相手との立場は、完全に逆転した。

 五輪組野手の復帰も起爆剤にはならなかった。前日復帰した荒木に続いて、この日は森野が「6番左翼」でスタメン出場したが4打数無安打に終わった。象徴的な場面は、0メートル0の4回1死一、三塁。カウント2メートル1から岩田の外角に大きく外れたスライダーを空振りした。「あの三振がすべてです。力んだという意識はないけど」と渋い顔。北京五輪では18日カナダ戦の先発を最後に、その後はベンチスタート。8日ぶりのスタメンで試合勘が鈍ってもおかしくはない。森野は「何ともいえない。ただ結果が出ていないから修正しないといけない。ここからどうするか、あとは自分次第」と言葉を絞り出した。

 これで16日ヤクルト戦以来となる今季2度目の貯金0となった。この日、勝った4位広島とのゲーム差は「1」まで縮まった。8月だけで4度の完封負けを喫する貧打ぶりでは、クライマックス・シリーズ圏内も危うい。森野と同様に無安打に終わった荒木は「五輪の疲れ?

 そういう中でヒットを打っていかないといけないのが、出ている人間の務め。大丈夫です」と反攻を誓っていた。【益田一弘】