<オリックス1-6ロッテ>◇23日◇京セラドーム大阪

 ロッテ渡辺俊は、勝っても満足していなかった。この日の投球ではない。「今まで負けた回数を考えたら、まだやり返せていないね」。今季オリックスには6試合投げ2勝3敗で防御率5・71と、もっとも対戦成績が悪い。「クライマックス・シリーズ(CS)で勝ったらチャラかな。シーズンの分までやり返したい」。CS出場権のため、そしてCSの戦いまで見据えても大きな勝利だった。

 持ち味の緩急は抜群だった。2回2死満塁のピンチをつくるも、小瀬をカーブで三飛に抑えた。カーブ、シンカーと緩い球を7球続けて打ち取った。「調子よかったから、ピンチでも点差が開いても同じ感じで投げた。今日は全部の球がよかったかな」。8回に1点取られて降板となったが「球数も多かったし(121球)、次の登板もあるから。完投にはこだわっていないよ」。厳しいCS争いの中、余裕すら漂う13勝目だった。

 チームは1日で5割に復帰した。バレンタイン監督は「オリックスもいいチームだが、我々もいいチームだ。予想通りに最後まで激しいペナントになっているが、必ず最後にはCSに出場する」と言葉に力を入れた。24日の西武戦(西武ドーム)で、4月30日以来となる貯金を目指す。【飯島智則】