<中日9-3ヤクルト>◇24日◇ナゴヤドーム

 その瞬間、ナゴヤドームの空気が変わった。中日が4-2と逆転した3回、先発小笠原に代わってマウンドに上がったのは川上だった。7月25日阪神戦以来、2カ月ぶりのマウンド。帰ってきたエースにスタンドから拍手と歓声が起こった。

 圧巻の投球だった。まず先頭青木を143キロのストレートで中飛に打ち取ると続く川島慶はストレートで追い込んで、スローカーブで空振り三振。そして飯原は最速147キロの剛球でつまらせ、遊飛にしとめた。「いろいろなプレッシャーがあったけど、なんとかクリアできたかな」。

 バットを押し込む力強さ。コーナーを突く細やかさは、川上の投球だった。3回を内野安打1本のみで無失点。7月4日以来の8勝目を挙げた。次は先発登板が濃厚。チームは広島を抜いて再び単独3位に浮上。初めてCSマジック「9」が点灯した。