横浜からFA宣言した三浦大輔投手(34)が20日、阪神の猛アタックに「ありがたい」と感謝した。交渉解禁日となったこの日、横浜市内のホテルで初交渉。3年総額11億円(推定)に加え、最長5年のオプションも視野に入れた提示を受けた。「三浦大輔という者を評価してもらって、ありがたい」と話した。結論は保留したが、虎の誠意は感じた様子だった。

 1時間を超える交渉を終えた三浦は、慎重に言葉を選んだ。「緊張しました。どれだけ必要としていただいているのか、自分に対する評価を聞かせてもらいました」。リーゼントに黒のスーツ。いつもの“正装”に身を固め、感情を抑えながら淡々と言葉を続けた。

 三浦

 交渉で心に残った言葉?

 来年、甲子園の新しくなるマウンドで投げてくれということです。高校の時、甲子園出場を目指してました。できませんでしたけど、すごく歴史のある球場だと思う。

 阪神の熱意は確かに感じた。交渉解禁の初日。午前9時ジャストに阪神沼沢球団本部長から電話を受け、即日交渉が決まった。提示された条件は横浜の3年総額10億円を上回る、3年総額11億円。さらに、最長5年までの契約延長も検討されている。1年でも長い現役生活を望むだけに、非常に魅力的だ。だが、同時に悩みも深まった。声のトーンを高め、こう続けた。

 三浦

 (移籍か残留か)五分五分。僕の中で(他球団の)話を聞いたことで、やっとじっくり考えられる。(移籍だと)決まったように言われるけど、僕の中では決まっていない。気持ちは本当に五分五分。

 手を挙げてくれた阪神と交渉したことで、ようやく判断材料が出そろった。次回交渉日は未定だが、阪神との交渉を終えた上で、最後にもう1度、横浜とも交渉予定。「(結論を出すのを)長引かせたくはない。しっかり悩んで、しっかり決めたい。ファンには、はっきりしたことを出せず申し訳ない。もう少し待ってもらいたいです」。悩みが深まるのは覚悟していたという。ハマの番長は、とことん悩んで結論を出す。【古川真弥】