プロ野球コンベンションが21日、東京都内で行われ、中日からのベストナイン選出はゼロとなった。タイトル、ベストナインともに該当者がいなかったのは、92年以来16年ぶり。北京五輪に12球団最多5選手を派遣したことや、故障者が続出したことなどが影響したもよう。3位に終わったシーズンの苦しい戦いがあらためて浮き彫りとなった。

 今年1年間活躍したプロ野球界のスター選手たちが集う晴れ舞台に、ドラゴンズナインの姿はなかった。個人タイトル受賞者、ベストナイン選出者がいずれもゼロなのは16年ぶり。ゴールデングラブ賞に荒木、井端、中村紀が選出されているとはいえ、何とも寂しい表彰式となった。球団関係者からも「そんな久しぶりのことなの?」と驚きの声があがった。

 苦しい1年だった。北京五輪には川上、岩瀬、荒木、森野の4選手に加え、台湾代表チェンが選出。12球団最多となる5選手を派遣した。、また、5試合にリリーフ登板した川上が帰国後に離脱するなど“後遺症”にも悩まされた。

 チーム内でケガ人が続出したことも響いた。井端が右ひざ靱帯(じんたい)、和田と中村紀が腰痛、荒木が左肩痛など、主力が相次いで故障したことも大きかった。投手陣では、規定投球回数に到達した先発投手がゼロ。野手でも144試合にフル出場した選手はおらず、ウッズ、中村紀の140試合が最多だった。

 来季はそんな状況に甘んじるわけにはいかない。チーム力底上げを目指す秋季キャンプでは、若手選手らが原則6勤1休で連日7~8時間の超ハードメニューに取り組んでいる。今季、右のセットアッパーとして頭角を現した浅尾も「来年は(1軍でタイトルを)獲得できるくらい頑張りたいですね」と話した。表彰者なしの屈辱をバネにするしかない。【福岡吉央】