楽天が新外国人のストッパー候補としてマット・チルダース投手(29=フィリーズ傘下3Aリハイバレー)を獲得することが28日、明らかになった。交渉は大筋合意しており、近日中に発表される予定だ。ヤンキースのダレン・ラズナー投手(27)を獲得し、中日からFA宣言した中村紀洋内野手(35)の獲得も決定的。先発、抑え、主軸打者が入団すれば、来季Aクラス入りの悲願へ向け必要な戦力が整う。

 今度こそ待望のストッパーが獲得できそうだ。チルダースはメジャー経験のある長身右腕だが、12年のマイナー暮らしでハングリー精神も兼ね備える。3Aでは今季から本格的に抑えを務め、インターナショナルリーグ4位タイの20セーブをマークした。イニング数66回2/3を超える奪三振数68は、ストッパーの適性を物語る。来季先発の柱の期待がかかる新外国人候補のラズナーと同じ196センチの長身。ツインタワーコンビの活躍が、躍進のカギを握ることになる。

 交渉はすでに大筋で合意しており、メディカルチェックをクリアすれば球団から近日中に発表される予定。ストッパーが最大の課題だった。今オフにブライアン・ファルケンボーグ投手(30=パドレス3A)の獲得を狙っていたが、ソフトバンクとの争奪戦の末に取られた。今季7月にも獲得を熱望しながら、ファルケンボーグがメジャー昇格したため獲得を断念。約半年間の片思いをした“恋人”に土壇場で振られてしまった。

 抑え候補に白羽の矢を立てたのがチルダース。来季は野村監督の最終年。有終を飾るべく、フロントも積極的な補強を進めている。すでに先発はラズナー、主軸打者として中日からFA宣言した中村紀の獲得が決定的な状況だ。新たにストッパーも加われば、投打の課題が解消できる。球団創設以来初めての大型補強で、来季の野村監督のタクトに期待が集まる。