ダルよ、手を洗え、手をふけ!

 日本ハム・ダルビッシュ有投手(22)が4日、今キャンプ2度目のブルペン投球で88球を投げ込んだ。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、専用のロージンバッグの感覚調整も本格化。吉井投手コーチ、多田野の米球界経験者からは「手洗い」「手ふき」などの珍アドバイスも飛び出した。

 ダルビッシュが顔をしかめ、力強く握ったり、小さく放り上げたり、何度も繰り返した。1日以来、今キャンプ2度目のブルペン入り。右手には投手の滑り止め用のロージンバッグ。「(粉が)出ないときはどうするんですか」。見守った吉井投手コーチに声を掛ける。「もうパンパンするしかない」。答えにうなずいたが、これもWBC用の大事な確認だった。

 前回のブルペンに続き、日本で使用するものより一回り大きなWBC用のロージンバッグを持参した。「気にしていたんじゃなくて、どう使うか、粉を付けて投げたり、付けなかったりを試していた」。球筋の確認だけでなく、この日はロージンチェックも重視。途中から打者を想定し、カーブ、フォークを交え88球を投げたが“粉”にも気を配った熱投だった。

 WBC用のロージンバッグは、粉の荒さがメジャー仕様に近く、吉井投手コーチによると「日本のようにサラサラ感がなく、煙が出にくい」。ダルビッシュは「ベタベタ?

 それはない」と話すが、松ヤニの成分から、気候の影響もあり、粘り気のある感触もあるという。個人差はあるが、本番に向け慣れるに越したことはない。

 WBC専用ロージンに近いものを使用した米球界経験者も、独特の助言を惜しまない。米国で5年間投げた多田野は「ベタベタに気になったら、イニングの合間に手を洗うことも大事」と経験談を披露した。メジャー通算32勝の吉井投手コーチも「(ロージンの)粘着力で指の表面に幕のような汚れがつくが、気になるなら拭くことも必要」と説いた。第2ラウンド以降に進出した場合、開催地がサンディエゴ、ロサンゼルスのため「(米国の)西海岸は気候的に乾燥しているから、マウンドには手を湿らせて行った方がいい」と助言を加えた。

 ダルビッシュは、この日のブルペン投球を振り返り「体は張っているけど、そこそこいけた。もっとこれから上がってくると思います」と口にした。米球界経験者2人の珍助言に耳を傾けながら、WBCに向けた調整を続けていく。【村上秀明】

 [2009年2月5日9時46分

 紙面から]ソーシャルブックマーク