<日本ハム1-3楽天>◇3日◇札幌ドーム

 プロ野球は3日、03年以来となるセ・パ両リーグ同時開幕し、各地で6試合が行われた。第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本の優勝に貢献した楽天岩隈久志投手(27)と日本ハム・ダルビッシュ有投手(22)の注目対決は、ダルビッシュが初回、鉄平外野手(26)に適時三塁打、フェルナンド、セギノール内野手(34)に1号2ランを浴び3失点。2回以降立ち直ったが、完投負けを喫した。

 ダルビッシュが少しの充実感とともに、無念のゲームセットを見届けた。球界史上4人目、平成初の3年連続開幕戦完投。投手分業制が時流の中で持ち前のタフさは見せたが、たった1つ足りない結果は白星だった。楽天戦の黒星は06年4月13日以来。昨年の通算防御率0・45の相手に足をすくわれた。

 WBCの日本先発3本柱だった岩隈との注目バトル。敗れはしたが全身全霊の投球で潔く散った。

 ダルビッシュ

 岩隈さんは途中で降りて、僕ができるのは完投しかなかった。意地でいきました。

 ほろ苦いスタートだった。初回、先頭リックに左前打を浴び、送りバントでいきなり1死二塁のピンチで鉄平に先制三塁打。セギノールにはカットボールを右中間席へ運ばれた。梨田監督が「初回に3点はビックリした」という驚きのシーンだった。

 WBC第1ラウンド開幕戦、先発を任された3月5日中国戦。4回で降板後、観戦に訪れていた皇太子ご夫妻の雅子さまの希望に応じ、試合中に貴賓席で対面した。そんな日本代表を意識していた日々もこの日、同じユニホームを着た年上の盟友との投げ合いで完全に別れを告げた。

 ダルビッシュ

 岩隈さんもボールが高めに浮いたりして、やっぱり疲れているんだなと思った。

 1日の最終調整のブルペン投球では思うようにボールがいかず、いら立ちも見せていたが、2回以降は立ち直って今後への手応えをつかんだ。「今すぐにでも寝られますよ」。心地よさそうな最後に見せたスマイルが救いだった。【高山通史】

 [2009年4月4日9時3分

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