<横浜9-1ヤクルト>◇10日◇横浜

 ようやく横浜にも春が訪れた。ベンチが一丸となって、開幕からの連敗を6で止めた。ヤクルト戦の2回、7試合目で刻んだ初の先制点が初勝利への呼び水となった。2死三塁。7番石川が中前適時打で火をつけた。「みんなでつくったチャンス。どんな形でもランナーをかえそうと。気持ちで打ちました」。石川は2度、3度とガッツポーズを繰り返した。4回にも石川の左前打、先発マスクをかぶった野口の2点適時三塁打で3点を追加。「待望の移籍初ヒットが最高の形で出た」と野口は顔をクシャクシャにした。5回には金城が右翼席へ1号ソロ。続く2番仁志も中前打を放ち今季22打席目で初安打。吹っ切れた6回には初打点も記録した。

 6連敗した前夜、野手全員が緊急ミーティングに集まった。38歳佐伯が口火を切った。「三振しても下を向くな。みんなゲームに出たいし勝ちたい。試合に出る限りは横浜の代表だ。胸を張れ」。WBCの疲労を抱える内川は、連敗の責任も背負い不眠症に陥った。1時間おきに目が覚めてはバットを振った。「勝てない悔しさ、凡打を思い返すと寝付けません」。吉村は前夜の帰り際、駐車場出口で待つファンに「6連敗はプロとして恥。ファンに申し訳ないです」と、神妙に頭を下げた。

 窮地でベテラン金城、佐伯、野口を先発に並べた大矢監督の決断も功を奏した。開幕から起用してきた新人松本、細山田、山崎は前日の見逃し三振に反省を促す意味で休養を与えた。「選手に何が何でも勝つという気持ちがあった。今日の1勝を大事にしたい」。大矢監督も上を向いて巻き返しを誓った。【山内崇章】

 [2009年4月11日9時29分

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