<中日2-1阪神>◇21日◇ナゴヤドーム

 中日和田一浩外野手(36)が天敵・下柳を打ち砕いた。1点を追う3回2死一、三塁。外角に沈んでいくフォークに対し、踏み込んでバットを出した。打球は左中間を真っ二つ。一塁走者も生還させる逆転の2点適時二塁打となった。

 「ストライク近辺だったので何とか対応できた。低めのボール球をいかに振らないかが大事。ワンバウンドを振らなければ何とかなると思った」。

 チームは昨季、下柳に0勝3敗、打率1割8分9厘と封じ込まれた。和田自身も11打数3安打。天敵攻略のカギは常に「低めの見極め」。試合前のミーティングでも確認された。3回の打席はカウント2-0と追い込まれた後が勝負だった。内角直球をファウルの後、外角に落ちるシンカーを見逃した。打者にとって難しいとされる高低差の勝負を制し、わずかにあまくなった次の球をしとめた。

 これで15日の甲子園に続いて下柳に黒星をつけ、和田は2戦とも適時打を放った。天敵攻略には思い当たる理由がある。「動きが小さくなった分だけボールがよく見えるというのはあります」。今季から挑戦した新打法は構えをややスクエアにし、左足の上げ幅を小さくした。その結果、顔の上下動が小さくなりボールの見え方が格段によくなった。この日、低めのボールを的確に見極められたのは新打法と無関係ではない。

 「昔は剛速球を投げてきた。今の下柳さんとはイメージが違いますけど難しいことに変わりはない。術を持っている投手ですから」。日本ハム下柳、西武和田の時代から続く対決。今季はまず和田がアドバンテージを握った。【鈴木忠平】

 [2009年4月22日10時51分

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