<ソフトバンク7-2ロッテ>◇3日◇福岡ヤフードーム

 やはり打撃は頼もしい。ソフトバンクの反撃のノロシはホセ・オーティズ内野手(31=元ロッテ)が上げた。1点を先制された直後、2回裏無死一塁だった。初球のボールになる外角スライダーを我慢して見送ると、続く外角高めの直球を振り抜いた。右中間方向へ同点のタイムリー二塁打だ。

 オーティズ

 自分の打てる球が来るまで我慢している。初球の誘い球に乗らなかった?

 それが(日本球界に在籍した)過去の4年間の経験さ。

 前日2日は転倒しながら悪送球を犯す守備のミスで目を引いた。が、「過去のことは戻らない。今日は今日だ」と自慢のバットが湿ることはない。6試合連続安打をマークすると、5回裏無死一塁では今度は外角スライダーに食らいつき、右中間二塁打で追加点のチャンスを広げた。3回裏には今季初の敬遠も経験。チーム14安打と打線爆発の起爆剤となったのは、紛れもなく背番号「49」だった。

 オーティズの加入が、松田、多村と二人の主軸を故障で欠く打線に厚みを持たせたのは明らかだ。流れを引き戻した3回裏には主砲松中が勝ち越し打。4回裏には4連打でロッテ成瀬をKO。オーティズ加入前の21試合ではチーム1試合平均8・4安打だった打線が、オーティズ出場後の6試合では同10・3安打。チーム得点も1試合平均3・9→5・2とスケールアップしている。「成瀬はこの前の西武戦でいい投球をしていたけれど打線がつながったね」と秋山監督。指揮官が振り返った通り、1発なしで7得点したこの日のように打線のつながりが大きな武器となってきた。

 オーティズは本拠・福岡ヤフードームで初めてお立ち台にも上がった。「いい状態をキープしたい」(オーティズ)。文字通り秋山ホークスの一員となった助っ人が、5月反攻の打の主役となる。【松井周治】

 [2009年5月4日12時38分

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