<中日4-2西武>◇7日◇ナゴヤドーム

 中日の新セットアッパー浅尾拓也投手(24)が、8回の1イニングを完全に抑えて守護神岩瀬につなぎ、チームを4連勝に導いた。中島、中村、平尾の西武主軸を3者凡退。先制打の森野とともにお立ち台に呼ばれた。「疲れ?

 ぜんぜん大丈夫です」。大歓声に包まれ、イケメンをほころばせた。

 もはや、勝利の方程式に欠かせない。5月31日ソフトバンク戦(福岡ヤフードーム)から6連投で、その間1勝5ホールド。8イニング無失点と抜群の安定感を発揮している。もともと先発志望で今季は開幕投手まで務めたが、5月中旬から中継ぎ転向。チームの泣き所だった「7、8回」を抑える仕事を、意気に感じてこなしている。「先発との違いは思い切り投げることです」。ペース配分など考えず、この日も最速152キロをマーク。フォークも140キロを計測した。

 雪辱への思いが快投の源だ。8回先頭の中島には、5月20日の対戦(西武ドーム)でサヨナラ右前打を浴びていた。悪夢が頭から離れず、トレードマークのはにかみ顔をつくれなくなるほどショックを引きずった。「悔しくて、何とかしたかった」。借りを返すことだけを考え、この日を迎えた。カウント1-1から、こん身の外角高めで右飛に打ち取った。かえす刀で後続を連続三振に仕留めた。

 満足などしていない。「西武ともう1試合あるんで、中島さんと当たったら抑えたい」。浅尾は先発への思いを封印し、目の前の敵に牙をむく。【村野

 森】

 [2009年6月8日11時3分

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