ソフトバンク松中信彦外野手(35)が本物の「マングローブ弾」を運ぶ。2日の本拠地オリックス戦で1度は本塁打と判定された打球が、抗議の末に二塁打に覆された。本塁打1本につきマングローブの苗木1000本を寄付するプロジェクトを発表したばかりで、その記念すべき第1号も取り消し。仕切り直しとなる4日の日本ハム戦に向けて「頑張ります」と短いひと言を残した主砲が、緑の減少が続く東南アジアの熱帯雨林を救う。

 その決意はいつもの行動に表れた。福岡から函館へ空路移動したこの日はレギュラークラスにオフが与えられたが、松中は返上。函館球場に姿を出すと、地面にバットを置き、体の向きを確認しながら打撃練習を行った。

 「ここで先輩(小久保)は本塁打を打ってますよね。風が強いんですよ」。昨年5月11日の日本ハム戦で小久保が強い逆風の中、左翼席へ描いたアーチを思い出しながら、イメージを高めた。松中の幻弾でチームの連勝も3で止まった。首位日本ハムと1・5ゲーム差で迎える2連戦。植林活動スタートを告げるアーチを北の大地から届ける。【押谷謙爾】

 [2009年7月4日11時41分

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